2020/03/13

読書感想 物流は世界史をどう変えたのか 玉木俊明

盲点となっている、重要なファクターが1つある。「物流」である。

↑面白そうでしょう。kindle unlimitedだし、読みました。

近年、面白い歴史の本を、何冊か読んでいて、それでこれも期待しました。

・サピエンス全史 ユヴァル・ノア・ハラリ
・文明崩壊 ジャレド・ダイアモンド
・交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス デイヴィット・ライク

金を払わずに、眠いところを気合を入れずに読んだせいか、途中、だるくなりました。
なんでなんでしょう?
確かに、サピエンス全史ほど、壮大で新しい切り口ではないですが、文明崩壊のほうがむしろ、ありきたりだと思います。でも、物語として文明崩壊は読ませたかな。


なんで、期待ほどワクワクしなかったか振り返っていきます。

①フェニキア
 →以前、塩野七生のローマ人の物語を図書館で借りて読破したのですが、それで知っていたような。
②なぜ東アジアはヨーロッパに先駆けて経済発展したのか
 →ユーロに先駆けて、度量衡を整えて、一台経済圏をつくった。戦略が成功するかの条件に、天・地・人、なんて言いますが、始皇帝が出てくる時代の要請見たいのがあったら知りたいです。いまいち腑に落ちない。
③イスラーム
 →眠さのピークだった。すみません。
④ヴァイキングはなぜハンザ同盟に敗れたか
 →船の形だけなの?ヴァイキングは農閑期にだけ船に乗ったけど、ハンザは通年みたいな違いはないのかな?造船技術だけなら模倣できるし、ヴァイキングが盗んだハンザの船に乗ってもいいと思う。
⑤中国は朝貢貿易で衰退
 →数か月から1年前に、面白いコラムかブログでもっと詳しく読んだことがある。これは、私も歴史にもしもがあればって思います。
⑥地中海は衰退しバルト・北海が
 →森林資源ですね。文明崩壊で読んだのかな?
⑦喜望峰ルートは、アジアと欧州の関係をどう変えたか
 →これ以前の帝国主義は、ローマにしろ、中華王朝にしろ、隣の土地を狙いましたが、ヨーロッパが植民地にしようとしたのは、ぜんぜん地続きではないですよね。そこの思想の違いについて、もっと好奇心を刺激するように書かれているのをどこかで読んだ記憶が…
⑧東インド会社
⑨オランダはなぜ世界初のヘゲモニー国家になったのか
⑩パクス・ブリタニカ
 →この章は面白かった! 中国が、シリコンバレーを自国市場から締め出したことの正しさを噛みしめた。中国共産党指導者の先見性に感心しました。
⑪国家なき民ーアルメニア人
⑫国家なき民ーユダヤ人
⑬イギリスの茶
 →この章は削ってもよかったのでは
⑭産業革命はなぜイギリスで
 →わかったようなわからないような、私の理解力のせいだね。
⑮アメリカ海運業
⑯19世紀 ヨーロッパが豊かに
 →所得の低い人たちが新世界に移民していなくなった。この章だけで、新書が一冊できると思う。今の日本の政策に歴史を紐解き喧嘩を売ればいいでしょう。
⑰社会主義
 →『マルクス経済学は生産財を重視して消費財は軽視されがちだった。生産力の増大こそが重要で、省資源という考え方はなかった。』いや~、全然知らなかったですね。『人々は、GDPや国民所得の上昇ではなく、日常生活が豊かになるかで、経済が成長しているか判断する。社会主義はそれに気づかなかった。』消費財は無限にあり、国家が計画的に流通させることは不可能と述べられている。この章はマルクス経済と社会主義の常識がないから、とても新鮮に感じました。もし、AIで計画的にできるようにらったら、中国共産党が、最新・最適の政治体制かもしれませんね。


もくじを見ながら振り返って、わかったように思います。
これ、新書サイズに押し込めた弊害ですね。
ジャレド・ダイアモンドも、文明の崩壊を新書で出していたら、この本以上におもしろくなかったと思います。

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